『詩経』についても、中国のネット上で多くの吟誦を聴取できるようになってきた。私が今まで採用してきたのは、北京大学図書館古籍部館員の楊芬さんと小学語文特級教師(語文は国語、特級教師は中国国家が表彰する優秀教員)の陳琴さんで、お二人とも、中華吟誦学会の理事である。お二人の著書は中国から入手できたし、書籍添付の譜面やディスクを参照できるし、中国のネット上でも聴くことができる。


 『詩経』については、各作品のページ冒頭(私の動画作品の上部)で、彼女たちの吟誦を、ピンイン発音を付記した中国語簡体字表記を見ながら、聴取していただけるようにしている。
 メニューから各作品を選択して、上部のメディアプレーヤーの再生ボタンをクリックしてお聴きください。サンプルとして、下に陳琴さんの『桃夭』のメディアプレーヤーを設置したので、御試聴ください。各作品のページで、それぞれの吟誦をお聴きいただけます。その上で、私の作品と聞き比べていただけると幸いです。

陳琴さんによる『桃夭』の無伴奏吟誦(再生ボタンをクリックしてお聴きください。)

 日中2か国語詩吟作成手順は、このサイト内の「概説>日中2か国語詩吟について」でも説明しているが、要約すると次の通りである。まず、中国語吟誦を採譜して伴奏をつける。日本語漢字音については、中国語と同じように歌う。両国語漢字音を吟誦する際は、平仄の区別だけでなく、入声についても特徴的に歌うようにした。日本語漢字音の2音字の2音目が「フ・ク・ツ・チ・キ」の字音については、「p、k、t」の音で促音を加えて吟誦するようにした。『詩経』の日本語訳詞については、同じ伴奏の上で、歌えるように漢字音の旋律を細分化して旋律を加える要領で吟誦している。